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2017-05

974話 パラミタミュージアムで「有元利夫展」を見る - 2017.04.29 Sat

 パラミタミュージアムでの有元利夫展の新聞広告を見て「おっ!」と思わず声をだしましたが、共同生活者は、もっと反応してすぐに見に行こうという話になりました。
 自宅のあちこちに絵葉書が飾ってあり、何も知らずに、どこか欧州の古い絵だと思っていました。そんな絵が新聞広告になっていて、早逝した天才画家「有元利夫」という人の作品だと知りました。
 そんな真っ白な(無知)状態なので、かえって作品群を見たくなりました。
 実際には、いろいろあって、連休前日になってしまいましたが。

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<パンフレット>

img1704025_convert_20170429211626.jpg画像をクリックすると拡大できます。
<パンフレット裏面>

 パラミタミュージアムは、近鉄湯の山線「湯の山温泉駅」手前の「大羽根園駅」で、下車。
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 単線ですが、そこそこの本数があります。

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 線路沿いに、鈴鹿の山を見ながら5分程度で、ミュージアムに到着します。

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 無料駐車場には十分余裕があります(100台)。前回は、車で来ました。

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 館内は、当然、基本撮影禁止。これは、スロープ式廊下部分。ここを通って2階の会場に向かいます。廊下とはいえ、片岡球子のスゴイ絵が掛かっています。

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 会場では、入ってすぐ、2枚目の絵に掴まれました。(は、2016年6月発行の画集から。(館内で購入))
 透明な主体が、画面から浮き上がって、光を放っているのです。
 あとで、ビデオで紹介していたのですが、画法というか、技法・画材にとんでもなく凝った画家ということです。
会場が静かなこともあって、集中してみることができました。


 なお、土産に画集、絵葉書集のほか、こんなものも買いました。
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 稲垣足穂の「一千一秒物語」の文庫本です(昭和44年12月発行、平成16年改版、平成27年9月50刷、新潮社)。有元画伯が、テーマにとりあげていたということで、画集と一緒に置いてありました。自宅にもあるようですが、発掘が面倒なので、購入しました。

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 なお、常設展(これは廊下)も、歳を経てみると、見え方がずいぶん変わるものです。作品のすごさが、以前よりも強烈に感じられました。

 話は変わりますが、近鉄特急は快適ですが、準急はしんどいですねぇ。中央線に乗り換えたら、同じ準急でも、天国のように感じました。翌日、つまり今日は、体調がいまいちです。(そういえば、3日前にワクチンを、うったんだ)皆様もお大事に・・・

960話 劇団文化座公演「旅立つ家族」を観て - 2017.03.24 Fri

 劇団文化座の「旅立つ家族」を観ました。(名古屋演劇鑑賞会例会)
 作:キム・ウィギョン
演出:キム・スジン
(平成26年度芸術祭参加作品)
 1916年、平安南道(現北朝鮮)生まれの画家イ・ジュンソプと、日本人の妻、その家族の流転の生活を演劇にしたものです。

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<パンフレットの表紙>絵は李の作品。劇中しばしば登場する牛、そして、李と家族
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劇で知ったイ・ジュンソプの生涯)
 絵を描くことに熱中するイ(李)・ジュンソプは、東京の文化学院美術科に留学する。
 そこで、山本方子(まさこ)と出会い、愛し合うようになる。
 李は、ウォンサン(元山)に帰るが、方子は戦時中(1945年)にもかかわらず、李を追ってウォンサンに向かう。
 なんとかウォンサンにたどり着いた方子は、李と結婚し、村人にも祝福される。また、二人の子供にも恵まれる。
 しかし、朝鮮戦争がはじまり、一家は、やむなく済州島のソギボ(西帰浦)へ移り住む。
 1952年、生活苦のため方子と子供たちを日本へ送り返す。
 李の生活は荒れる。
 それでも1955年ソウルでの個展は、そこそこ成功する。しかし、収入には、つながらなかった。
 李の荒れた生活は続き、1956年39歳で死亡。(家族には会えず)

感想)
 ともかく、演出、出演者ともに元気が良い。感情とか気力とか、人間のパワーが、むき出しで迫ってきた。(観た席が前から2列目だったことは、さほど関係ないと思うが)

 大きな牛の絵を分解して、アニメのように動かすシーンでも、動きの切れが尋常ではない。武道のようだ。
 演劇を祝祭のようにみせられるのは、大好きであり、渋い演技も良いが、こういうのが芝居の醍醐味ではないだろうか。

 脚本のほうでは、ウォンサンに来た日本人である方子を、地元の人々が、すごく暖かく迎えてくれるという描き方をされたのが、意外だった。なんか、うれしい。
 また、李を支える友人、知人の働きも、今日の日本人だったら、あきれて突き放しそうなところを、我慢強く、懐の深さを感じさせるものだった。

 一方、朝鮮戦争前後の米軍MPや共産軍の描き方は、厳しいものがあり、いまだ戦時下の国であることを、思い起こさせる。(なお、日韓についても、1965年まで国交が無かった)

 いずれにしても、日本に支配されていた側の視点、異なる文化のもとでのものごとへの反応の違いを、すこしは知ることができる作品だった。演劇の面白さが、ぎゅ~と詰まっている傑作である。万能BOXの大道具にも、感動しましたよ。


出演者)パンフレットから(子役を除く)
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905話 東京芸術座「蟹工船」 - 2016.11.13 Sun

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     <「蟹工船」を観る前に食べたちらし寿司;蟹ではなく、エビだった>金山駅ループ金山「嘉文」 

 名古屋演劇鑑賞会の11月例会は、東京芸術座による「蟹工船」です。
 原作は、警察に虐殺された小林多喜二の昭和初期の作品で、いわゆるプロレタリア文学の代表作と言われるものですが、どういうわけか、中学時代に読んで、これこそ小説だと思ったことを覚えています。ただし、中身は、ぱっぱらぱーと忘れてしまいました。
 地元の作家である葉山芳樹の小説からつながって、多喜二にたどり着いたような気がします。(中学校の図書室蔵書)

 当時から工学系の頭の構造だったのでしょうね。 思想性よりも、リアリズムであるところが、共感できたのだと思います。好きな女の子は大勢いましたが、愛だ、恋だといった話を小説で読んでも理解できない、鈍い少年でした。

 蟹工船は、ノンフィクションではありませんが、長期にわたる現地取材に基づいているので、リアリティがあります。
 川崎船という小さな和船でカニを獲って、母船である蟹工船内の工場でカニ缶にするわけですが、これが、ものすごいブラック企業で、嵐でも漁に出させるくらいは、日常的です。工場でも、暴力で無理矢理働かせて、死者が出る状況です。
 最近のブラック企業は、言葉の暴力が中心で、さすがに、あまり手は出さないと思いますが、昭和初期なので、ムチは使うし、宙釣りにしたり、銃も突き付けるありさまです。

 耐え切れずに組織を作ってストに入るのですが、助けてくれると思った海軍巡洋艦の兵士は、ストの首謀者を拘束して行ってしまいます。残った労働者たちは・・・

 当時の権力者にカチンときたのは、海軍が労働者の味方ではなく、会社の味方だというところでしょう。もちろん組織化についても、神経を尖らせていたでしょうけど。

 問題なのは、平成の世になっても、いまだブラック企業が横行していること。


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おまけ)
 会場は、名古屋市民会館中ホール:ビレッジホールです。今回は、入りが良くて、ほぼ、最後尾。


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   <久々に愛知環状鉄道「中水野駅」を利用>右上は定光寺の山

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   <駅近にはコンビニもできた>金山まで切符は買えるが、manacaは、使えない。ものすごく不便。正面の山は、東谷山

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       <駅の裏側は、レンタル農地のまま>

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  <うだうだ言っている間に電車が到着>高蔵寺駅でJR中央線に乗り換えだが、構内に、でかい声で同じことを繰り返す妙な兄ちゃんがいたので、違う電車にした。そうしたら、今度は、車内が大部分エキゾチックな雰囲気の人(たぶん学生)ばかりだった。

この日、トランプ氏の次期大統領就任が確定した。

869話 「コンビニ人間」(芥川賞) - 2016.08.13 Sat

 村田沙耶香氏の芥川賞受賞作「コンビニ人間」(文藝春秋9月号掲載作品)を読んで、思いあたったり、連想させられたりした、いくつかの個人的なことについて書き留めておきます。


(以下、論文調で書かせてもらいます)

 新聞広告では、圧倒的な支持で選ばれたように書かれているが、選評をみると、そうでもなさそうだ。しかし、多少ネガティブな反応があるくらいで、はじめて、この作品が成功したといえるのではないだろうか。

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テキトーに評価してみた)
おすすめ度: 90%
話題性: 95%
実用性: 40%
不易度: 55%
迫力: 40%
美的: 50%
新規性: 75%
所要時間: 2時間

読了後、世界が変わって見えたか?: 部分的に効果大(コンビニの見方が変わった)

といったところです。(あくまでもファーストインプレッション)

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どんな話か)
 パーソナリティに問題をかかえた三十代後半の女性主人公が、唯一、心の安定が得られるというバイト先、「コンビニ」への、のめり込みの激しさを描く。もちろん、店員しか知りえないコンビニの内情や、変な店員、変な客の話もあるが、なんといっても主人公の特異な心の動きを、病的冷静さをもって描いているところが異色である。

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感想・連想)
 少し前に「パーソナリティ心理学」の本を読んでいたので、余計に感じたのだが、「サイコパス」なのか「発達障害」なのか、登場人物の多くが、お付き合いしたくないような個性を露呈しており、内面に特異な思考回路を有していることを自ら語っているという点で、まるで心理学の臨床例図鑑のようだ。(そんな本があるかどうかは?)

 パーソナリティ障害が犯罪と結びついたと思われる事件は、ごく最近にもあった。また、サイコパスでなくては実行不能な凶悪な犯罪を扱った映画や小説もいくつかある。

 しかし、村田氏の作品では、そのような凄惨な事件ではなく、一見、穏やかな生活をしている人々の日常に潜む異様な内面世界を、あっけらかんと表現しているし、書かれている視点も、面倒なパーソナリティを有する者の側からということで、やんわりと新しい。しかも、凡人にも一応の理解ができるようかみ砕かれている。


 私自身、少年期に友人を鉄火箸で叩いたことや、姉を鉛筆削り用のナイフで切りつけたことがある。しかも、罪悪感を感じるのに長い期間を要した。かなり問題があるが、羊の皮を被って、好々爺を演じようとしている。その点で、共感を持って読むことができた。

 さて、コンビニ業界も業績の優劣がはなはだしいと聞く。すこし走れば、閉鎖された店を、いくつも見ることができる。場所が良いだけでは、だめなようだ。日々、お客のニーズに合わせた商品展開ができるかどうか。売れ筋がいつも欠品では、客が逃げる。また、感じの悪い店員も、客を蹴散らす強力な毒となる。私も、感じ悪い系なので、他人ごとではない。
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859話 文学座公演「セールスマンの死」 - 2016.07.16 Sat

 セールスマンの死」を、数十年ぶりに観ました。記憶が定かではありませんが、ひょっとしたら3回目かも。

 文学座公演で、名演の例会(第586回)です。
(名演HPのリンクを下に貼っておきました。クリックしてみてください)

  名古屋演劇鑑賞会(名演)

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 場所は、いつもの市民会館中ホールなので、JR金山駅から6分程度。(この写真は、帰路、友人と一杯やって、22時過ぎのJR金山駅、中央線のホーム、セールスマン的な人は、あまりいない?)

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富沢阿古:リンダ(ウィリーの妻)、林田一高:ハッピー(次男)、三木敏彦:伯父ベン(ウィリーの兄)
古坂るみ子:女、鍛冶直人:ビフ(長男)、たかお鷹:ウィリー・ローマン(セールスマン)


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永川友里:ミス・フォーサイス(街の女)、佐川和正:バーナード(チャーリーの息子)、石川 武:チャーリー(ウィリーの隣人)
鹿野真央:ジェニー(チャーリーの秘書)、星 智也:ハワード・ワーグナー(ウィリーの雇い主)、 岸槌隆至:スタンリー(レストランのウェイター)

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 長い年月を隔てて観たわけですから、演出の変化分⊿よりも、当方の心身の変化分⊿の方が、大きいことは明らかです。ただ、唐突に現れる伯父ベンについて記憶がないので、脚本を確認したくなりました。
 これくらいの古典になると、図書館でしょう。

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ST市立図書館

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高低差の極みに存在します。駐車場からの上りが、かなりしんどい。

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 これが、奥の書庫から取り出していただいたアーサー・ミラー全集 I(初版1977年、1993年改訂八版、倉橋 健訳、早川書房)

 一部の人にボケ老人のように言われている私ですが、脚本を見たら、セリフの細部まで、95%以上思い出すことができました。それからいうと、今回の舞台が、細かな表現を除き、脚本に忠実に演じられていることが分かりました。

 時間と空間がポンポンと飛ぶのは、演出家の気まぐれではなく、アーサー・ミラーが作った仕掛けです。「彼の頭の内部」というタイトル案もあったくらい、かなりの部分が心象風景がむき出しになっているので、ぼーっとしていると、置いて行かれます。

 基本は、現在(1949年ごろ)で、フラッシュバックすると、長男(34歳)が高校3年のころになったり、ベン伯父さんのアラスカへの誘いを断ったころになったりする。


 最初に観たときは、ウィリーの息子たちの年齢に近かったのですが、今では、父であるウィリーの年齢を超えてしまいました。
 長期ローンで買った家が、周りに高層建築ができて日が当たらなくなったり、期待をしていた長男が、ものにならなかったり、そして、力が衰えて仕事ができなくなったり、若いころでも十分身につまされました。


 今回、ウィリー超えの年齢になって感じたのは、ウィリー(セールスマン)のハチャメチャさです。私の身近にもそんな人(セールスマン)がいましたが、やはり大言壮語の傾向が強く、一つこけたらどんどん信用を失いそうでした。人的なつながりで商品を売ろうというのは、初演1949年のアメリカでは、もう、通じなくなっていたということでしょう。日本では、最近まで通じたかもしれませんが。

 アメリカ流の成功しなければいけないという強迫観念にとらわれ、しかも自分のやり方に固執して、社会の変化への柔軟性に欠けた仕事人が、行き詰まり、心の病になったことも不思議ではありません。


 なお、演出上、もう少し分かりやすくするには、15歳以上の年齢差をさらにクリアに演じ分ける工夫というのもありますが、単純には、現代と過去で、照明のトーンを、もっとはっきりと変えた方が良いと思いました。

今回、脚本が、結構面白い読み物になることが分かったのは収穫です。書けるとは思いませんが・・・

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Author:dadebeso
愛知県尾張東部在住. 宗教的なものではありませんが,場所の持つ力に関心があります.また,ものごとの起きるタイミングという意味での時の力にも関心があります.そのほか,落語,オーディオは,子供のころからの趣味です.

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